プレスリリース

株式会社市川ソフトラボラトリー（社長：市川芳邦、本社：千葉市）は社団法人発明協会が主催する平成23年度全国発明表彰において画像処理ソフトウェア「SILKYPIXシリーズ」に搭載されている独自の光源特定アルゴリズム、「SILKYPIXオートホワイトバランス」が「２１世紀発明奨励賞」を受賞しました。

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SILKYPIXオートホワイトバランスは「光源色検知によるホワイトバランス調整装置の発明 (特許第4447520)」として特許を取得した市川ソフトラボラトリー独自の光源特定アルゴリズムです。 SILKYPIXシリーズではこれを利用し、デジタルカメラで撮影されたRAWデータからその時の光源色(色温度)を正確に検出し、それをホワイトバランス補正に利用しています。 この機会に「SILKYPIXオートホワイトバランス」の原理や一般的なオートホワイトバランスとの違いなどをご紹介します。

白いものを探し、そこを白く見せようとする。それが一般的

現在一般的に多く利用されているオートホワイトバランスの原理は、ごく簡単に省略していうと写真データの中から「白と思われる部分を検出し、そこが白くなるように補正を行う」事が行われています。 白を検出する事でどれ位色かぶりを起こしているのかを導きだす方式です。 しかし、この方式ですと様々な問題が生じてきます。

• 白や無彩色が存在しない場合に色温度を特定できない。
• 微妙に色の付いた白っぽい被写体(薄いピンクや緑など)と色かぶりを判別しにくい。
• 色温度検出時に被写体の「色」に影響を受けやすく誤作動を起こす確率が高い。

などの理由によって適切なホワイトバランスを得にくいケースが存在しています。

データから被写体の「色」と「光源色」を分離 それがSILKYPIXオートホワイトバランス

物体の色とは環境光を反射によるものです。

物体の「色」は環境光を反射して色として認識されます。当然環境光に影響を受ける訳です。当然暗い場所では暗く、明るい場所では明るく、まだ電球の下ではオレンジっぽく見えて来るのです。この人間が「色」として認識するのは、物体表面で起こる光源の「乱反射光」を見ている事になります。しかし、物体の反射にはもう一つの反射が存在します。

特定方向散乱光(鏡面反射光)だけを抽出。

物体の表面からは「乱反射光」だけでなく、特定方向散乱光、いわゆる「鏡面反射光」と呼ばれるものが検出されます。この「鏡面反射光」は物体の色に依存することなく光源の色をそのまま反射する性質を持っています。すなわち、この「鏡面反射光」の色こそが光源の色となるのです。

物体表面の光っている部分からは、鏡面反射光と乱反射光の両方が検出される。 光っていない部分からは乱反射光のみが検出される。

これらを減算する事で鏡面反射光のみを取り出す。

鏡面反射光は、物体の色に関係なく光源の色をそのまま反射する性質があるため、これはすなわち光源色である。

(図．SILKYPIXオートホワイトバランス光源色検知の原理 )

そしてカメラのイメージセンサーが記録したデータの中からこの「乱反射光」と「鏡面反射光」を分離し、その「鏡面反射光」の成分から検出した光源の情報を基にホワイトバランスを的確に決定できるのがSILKYPIXのオートホワイトバランスなのです。そのため、

• 白や無彩色が無い被写体でも色温度を特定する事ができる。
• 被写体の色に依存することなく色温度を特定する事ができる。
• アルゴリズムが単純なため、安定した色温度評価結果を得ることができる。

このような利点があります。もちろん、一般的なオートホワイトバランスの仕組みと組み合わせることでさらに性能が向上する可能性もあります。

株式会社市川ソフトラボラトリーとは

1988年に設立以来、画像処理を主として研究開発を行い、日本ソフトウェア大賞を獲得した「デイジーアート」や、家庭用プリンタへのバンドル 等で累計約300万本を出荷している「デイジーコラージュ」などを発売している画像処理ソフトウェアハウスの老舗。

企業向けの技提供も行っており、モジュール単位でのライブラリ提供などでデジタルカメラ業界をはじめ、DPE業界からアミューズメント業界 まで幅広い分野への技術提供を行っています。